TOEICを勉強する方の中には「Part1が難しい」と感じている方もいるのではないでしょうか?TOEIC以外の試験ではあまり見かけない形式の問題で、最初は戸惑ってしまう方も少なくないのですが、実はPart1はもっとも満点を取りやすく、高得点を狙う上ではぜひ全問正解を目指しておきたいPartなのです。
今回はTOEIC L&R Part1のおすすめの勉強方法と高得点をとるためのコツを解説をしていきます。
Part1の問題構成
Part1はTOEIC L&Rの最初の問題であり、リスニングの出題としても1番目にあるセクションです。1題につき1枚の写真が問題用紙に掲載されており、その写真について4つの説明文が読み上げられ、写真の描写としてもっとも適切な説明文を選ぶ形式になっています。
4つの説明文は問題用紙には印刷されておらず、正しく聞き取る必要があります。また、写真には人物や風景が描写されており、中には情報量の多い写真が出題されることもあります。
Part1はリスニングの他の問題や、リーディングの問題に比べて相対的に難易度が低く、Part1の解答方法の説明・サンプル問題の解説で時間が長いため、時間的にも余裕があります。また、他の問題に比べて英語を目で追って読むことがなく、読み上げられる英語のスピードに合わせて回答しますので、時間的に個人差が出ないパートです。
そのためTOEIC L&Rでハイスコアを狙うのであれば、ぜひ満点を目指したいパートです。私も最初に満点を取ったパートはPart1ですので、しっかり正解しておきたいところですね。
Part1はいわゆるTOEICの旧形式では出題数が10問でしたが、2016年5月から開始された新形式のTOEIC試験からは各パートの配分が見直され、出題数が6題に減りました。
Part1の例題
サンプルとしてPart1形式の問題を作ってみましたので、紹介しておきましょう。(A)〜(D)のうち最もふさわしい説明文を選んでみてください。実際には(A)〜(D)の説明文は問題用紙に記載されておらず、1回ずつ読み上げられるのみです。
(A) A woman is touching a carpet under a table.
(B) A woman is stepping off the curb.
(C) A person is reading a stick book.
(D) A man is playing with the tablet, leaning on the sofa.
正解はわかりましたか?正しい説明文は(C)です。(A)や(B)は写真で行っている動作が違いますね。(D)はソファにもたれているところは正しそうな記述ですが、主語が男性である上、タブレット端末を触っているという動作が異なるため誤った説明であることがわかりますね。
私は新形式のTOEICを10回以上受験してきましたが、主語が男性か女性か、大人か子供かという違いを根拠にして正解を選ぶ問題は見たことがありません。写真では女性か男性かを見分けらませんからね。フルセンテンスでしっかり聞き取り適切な記述を選ぶことが正答率を上げるコツです。
Part1でハイスコアを取るためのコツ
基本的な文章構造(時制と受動態)に気をつける
Part1では基本的な文章構造に注目することが適切な説明文を選ぶ上で重要なポイントとなります。特に、時制と態が鍵であり、典型的な例では「現在進行形」と「受動態」が決定的となります。
例えば、"A carpet is being cleaned."という文が正しい説明になり得るのは、以下のどちらの写真になるでしょうか?
① 綺麗な絨毯のある部屋の写真
② 誰かが部屋の絨毯を掃除している写真
"A carpet is being cleaned."は現在進行形の受動態ですから、②のように部屋が掃除されている写真に対しての説明になりますが、①のように人物などが写っていない部屋の写真に対しては正解になりえない説明なのです。
説明が読み上げられる前に写真を見ておく
Part1では説明文が読み上げられてる前に、写真の内容を確認しておくと回答のしやすさが段違いに変わってきます。説明文で取り上げられやすいポイントを紹介しておきましょう。
人物
・人物がとっている動作(座っている、走っているなど)
・人物が身につけているか(帽子、ジャケット、ネクタイなど)
・人物が持っているもの(本、パソコン、財布など)
・複数の人物がいる場合、位置・動作(横に並んでいる、向き合い話しているなど)
風景や建物
・遠くに写っているもの(大きな橋がかかっている、山を背景にしているなど)
・映っている場所の状態(表面を葉が覆う道路、絵画の飾られた部屋など)
・主要なオブジェクトの状態(横たわっている、たてかけられているなど)
・窓やドアの状態(開いている、閉まっているなど)
出題できないところを把握しておく
Part1は写真描写問題という出題の特徴から、設問として問われることにない内容が存在すると言い切ることができます。Part1で選択肢として出題されない内容は以下のようなものがあります。
色に関すること
TOEICの問題用紙は白い紙に黒いインクで印刷されており、全て白黒で表現されています。そのため色に関する出題は絶対に出せないということがわかります。
例えば上記で出したサンプル問題の絵では、「女性は青いジーンズを履いている」「女性が赤い本を読んでいる」「赤いソファに座っている」のような説明が決定的となる出題はあり得ません。そのため、先ほどの問題例では「女性は分厚い本を読んでいる」という表現を使っています。
実際に出題されたものでいえば、生い茂った木が「新緑に満ちている」ものなのか、「紅葉で赤く染まっている」のかはわかりません。一方で、「落ちた葉で地面が覆われている」などの表現では出題され正解の選択肢となることがあります。
写真が表現できない過去に関すること
当然ながら、写真は動画と異なり一時点の場面を切り取ったものを表現しています。そのため写真から過去のことが出題されることはありません。
先のサンプル問題の例で言えば、写真に写っている女性はもしかすると数秒前まで気分転換にコーヒーを飲んでいたかもしれませんが、そのようなことは写真に映った一時点からは判断できませんね。そういった過去に関する問題は出題されません。
逆に未来に関する問題は出題されることがあります。例えば、レジの会計の場面での写真で、買おうとしている人物が明らかにカードを取り出していた場合、「カードで支払いをしようとしている」という選択肢が正解となることがあります。
写真から判断できないような細かい設定に関すること
問題用紙に印刷された写真には情報量に限りがあります。あまりにも細かすぎる設定については出題されることがありません。
先のサンプル問題の例で言えば、写真に写っている女性が読んでいる本の内容についての情報が問われることはありません。この本はもしかすると文学的な小説ではなく英語の辞書かもしれませんし、大学の生物学の講義で使われるテキストかもしれませんし、あるいはそれが物理学のものなのかもしれませんが、そのような細かい情報が説明文として読み上げられることはありません。
Part1対策のまとめ
今回はTOEIC L&RのPart1のおすすめ攻略テクニックを紹介しました。Part1は6問であり、全200問からなるTOEIC L&Rのセクションのなかで問題数が最も少なく、全問正解を狙いやすいパートでもあります。ぜひここで紹介した勉強方法やテクニックを参考にして高得点を目指していただければと思います。
リスニング・リーディング対策
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