英語を勉強しているとTOEFLという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
「TOEFLを受験してみたい」「他の試験との違いはなんだろう」と考えている方も多いのですが、試験の詳細について世間で出回っている情報は充実しているとは言えず、よく質問を受けます。
そこで今回はTOEFL(トーフル)試験とはどういう試験なのかについて紹介していきましょう。
TOEFL(トーフル)とは?
試験の概要
TOEFL(トーフル)とは、Test of English as a Foreign Languageの略で、全世界で70万人以上の人が受験している試験であり、海外留学や海外の現地大学に通う時に求められる英語の検定試験です。
アメリカ合衆国のNPOである教育試験サービス(Educational Testing Service; ETS)が主催しており、日本では一般社団法人 CIEE国際教育交換協議会が窓口となっています。
試験形式
現在、日本ではTOEFL試験がiBT形式と呼ばれる形式で行われています。iBTとはInternet-Based Testingのことで、インターネット経由で受験する形式です。国によってはiBT以外の形式も一部行われており、日本では2006年までは別の形式で行われていました。
参考までに過去に行われていたものには以下の形式があります。
- PBT(Paper Based Testing)
- CBT(Computer Based Testing)
他にも団体向けにはITP(Institutional Testing Program)と呼ばれる試験があります。こちらは公式スコアではないため留学時に提出することはできませんが、大学や大学院あるいは企業内で英語の能力を測るために使われます。
受験するには?
日本では全国各都市のテストセンターで、月に3〜6回程度、試験を実施しています。月により試験回数が異なっているので注意が必要です。
- 受験料:235 USD
- 受験会場:全国のテストセンター
- テスト結果:各セクションごとのスコアと総合評価のスコアが示された成績証明書。有効期限は2年間。
- 受験資格:なし(年齢制限や受験資格は一切なし)
日本におけるTOEFL
2018年の世界全体のTOEFL受験者数はは72万人を突破しており、そのうち日本の受験者数は2018年には8万人が受検したくらいで、世界の中でも比較的日本は受験者が多い傾向があります。
他の試験との違い
他の代表的な英語の試験としては、TOEICがあげられます。一般的にTOEICといえばListening & Readingですが、それに比べればTOEFLではWritingやSpeakingの能力が問われるという違いがあります。
また、TOEFLはTOEICやIELTSに比べると大学での専門的な講義についていけるかを試すような問題が多く、文章のテーマも読み物としてのエッセイというよりも、大学の基礎講義を彷彿させるようなテーマが多いという特徴がありまっす。
TOEFLテストは世界基準で行われている英語テストの中で最も歴史と実績があるテストであり、テスト問題は客観性と信頼性が考慮され、非常に高い精度で作成されています。どの国でいつ受験しても、受験者の総合的な英語力を正確に測定できるというのがTOEFLの独自性となっています。
試験内容
Reading
- 時間:60〜90分(1問20分が目安)
- 設問:3〜5問
文章のテーマは大学の教科書や新聞に載っているようなアカデミックな内容が大半です。文学、歴史、芸術などの人文系分野だけでなく、産業、貨幣制度など社会科学系分野についての記事も出題される他、地震学や気象学、生物学や地学、航空宇宙学といった自然科学系分野の記事も充分に読みこなすことが求められます。
設問は大きく10種類に分けられ、内容一致問題、内容不一致問題、推論問題、意図問題、語彙問題、指示語問題、言い換え問題、挿入問題、要約問題、表完成問題の形式で問われます。
Listening
- 時間:50分
- 設問:35問
こちらは大きく2つの問題に分けれら、第1リスニングは7問10分。第2・第3が14問3トピック20分となります。通常は2リスニングであり、ダミー問題を含む場合には3リスニングとなります。回答形式としては4択問題が主です。
大問は大きく「大学での会話」「大学での講義」に分けられます。
Writing
- 時間:50分
- 設問:2問
Writing問題は2つの大問から構成されています。
- Task1: Integrated-essay
- Task2: Independent-essay
Writingセクションでは2種類の問題が出題されます。Integrated taskは、Reading・Listening・Writingの複数のスキルが要求される統合問題です。一方、Independent taskでは、二者択一問題か、自分の意見を問う問題が出題されるため「自分の意見を文章にする力」が問われます。
Speaking
- 時間:問題により異なる(1問45秒以内、または60秒以内)
- 形式:全部で4問、回答をマイクに吹き込む。
Speakingは大きく4つの問題から構成されます。
- Section1: 単純な質疑応答(Independent)
- Section2-4: 文章や会話の総合的な理解力を伴う問題(Integrated)
Independent taskでは、ライティングと同じく二者択一問題か、自分の意見を問う問題が出題されるため「自分の意見を言葉にする力」が問われます。また、Integrated taskには2種類あり、Reading・Listening・Speakingの統合形式の問題と、Listening・Speakingの統合形式の問題があります。
スコア
TOEFLの満点は120点で、最低点は0点。それぞれのセクションの満点は30点です。1問間違えて1点減点という方式ではなく、評価は全て相対評価です。平均は83点、標準偏差は20点で統計学的に調整されています。
得点 | パーセンタイル |
---|---|
120点 | 100% |
100点 | 79% |
80点 | 39% |
60点 | 14% |
40点 | 3% |
CEFRとTOEFLとの対応関係はい可能ようになっています。
CEFR | Reading | Listening | Speaking | Writing | 合計得点 |
---|---|---|---|---|---|
C1 | 24 | 22 | 25 | 24 | 95 |
B2 | 18 | 17 | 20 | 17 | 72 |
B1 | 4 | 9 | 16 | 13 | 42 |
A2 | N/A | N/A | 10 | 7 | N/A |
入学志願者の英語力判定のために要求されるスコアは各教育機関ごとに異なっており、例えば、フルブライト奨学金2020年度大学院プログラムではiBTで80点以上が応募条件、ニューヨークのバークレーカレッジではiBTで61点以上が要求されます。大学院やアイビー・リーグなどの一流大学では更に高いスコアが必要とされ、ハーバード・ビジネス・スクールやオックスフォード大学のビジネススクールなどでは、いずれもiBT 109点を出願の最低条件としています。
※CEFR(セファール)とは、「外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment)」のことです。高い方からC2、C1、B2、B1、A2、A1となっていますが、A2、A1の水準はIELTSでは測定できません。
まとめ
TOEFLの概要についてはお分かりいただけましたか?概要が分かったならば、今度はどのように試験の対策を行っていくか確認していきましょう。
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