イギリス留学の特徴〜メリット・デメリットとは?

留学

留学先を検討中の方にとって、その国の良い面はもちろん、マイナスの面も気になるところではないでしょうか?留学先といえば様々な候補がありますが、留学先の国で英語と言えば、本場のイギリスを思い浮かべる方も少なくないでしょう。そこで今回は、イギリス語学留学の特徴やメリット・デメリットについて紹介していきましょう。

留学先としてのイギリスの特徴

正統な英語を学ぶことができる

イギリスに留学すれば、本場で美しいイギリス標準英語(Received Pronunciation;RP)を学ぶことができます。イギリスは、その古い歴史から伝統や儀礼を重んじる国であり、言語も例外ではありません。店やレストランなど、公の場で何かを頼む時は”Could you” や“Would you”などの丁重な表現を使い、何かをすすめられたり誘われたりした時は、“Yes, please”や“With pleasure”などをつけるのがイギリス的作法です。

シンプルでストレートな表現が多いアメリカの英語に比べて、イギリスの標準英語には、丁寧で婉曲的な表現が多く使われます。イギリスの代表的な新聞であるThe Guardianと、アメリカのThe New York Timesを読み比べてみても表現の違いは明らかでしょう。

一方でコックニーと呼ばれる英語があり、これは首都ロンドンの労働者階級が用いる、いわば下町の英語もあります。RPは上流階級と関連付けられるため、ややお高くとまった、とっつきにくいといったイメージを持たれることも少なくありません。そこで生まれてきたのが河口域英語(Estuary English)と呼ばれるもので、これはいわばRPとコックニーとの間を取るような形のものです。このようにイギリス英語と一口で言っても英語表現以外の「格式」を空気で察することができるのもイギリスの魅力と言えます。

治安が良い

イギリスは一般的に、非常に治安の良い国です。普通に生活していれば犯罪に巻き込まれるようなことはほぼありません。銃による犯罪も非常に稀です。ロンドンなどの大都市では、スリや空き巣などの被害はありますが、路上で暴力に巻き込まれるようなことは極めて稀です。

もちろん、日本と比較すると軽犯罪の発生率は高いため、戸締り、所持品への注意、夜道の一人歩きは避けるといった、基本的な安全対策をする必要はあります。とはいえ、総じて留学生活を送る上では少し気をつければ安全と言えるでしょう。

ブリテッシュカウンシルの存在

イギリスには、1934年に設立されたブリテッシュカウンシル(British Council)という「イギリスについての知識と英語を世界に広め、それぞれの国とイギリス間の密接な文化的関係を築く」という役割を担う公共機関があり、外国人の英語教育に尽力しています。この機関は厳しい条件の下、国内の英語学校の認定を行い、英語学校のスタンダード維持に努め、外国人留学生への様々な情報の提供やサポートを行っています。

ブリテッシュカウンシルは、世界各国に事務所を置き、英語コースの提供、イギリス留学に関する総合的な情報を提供しています。つまり、イギリスは外国人への英語教育を専門とする公共機関が留学生のサポートをしてくれるほとんど唯一の国なのです。

文化面が非常に豊か

イギリスはその歴史からも分かるように、文化が非常に豊かな国です。アート、シアター、音楽では格式や伝統があり、質の高いエンターテイメントを楽しむことができます。テニス、乗馬、ゴルフなどのスポーツも盛んで、日本より安い料金でアクセスが可能。世界に名を馳せる美術館や博物館も国内に散在しており、これらの多くはなんと入場が無料です。

首都ロンドンは欧州の交通のハブでもあり、フランスやベルギーを始めヨーロッパの国々へのアクセスも容易です。フライトや鉄道も学割や早割などの割引が多く提供されており、上手く利用すれば格安旅行も可能です。イギリス国内にも魅力的な観光名所が多数あり、旅行先には事欠きません。

イギリス人は礼儀正しい

イギリス人は、世界各地に進出した植民地時代の伝統から、外交面で高く評価されています。これは一般市民にも当てはまり、外国人に対してもオープンな人が多く親切です。一方で礼儀正しく、控えめな人が多いため、むやみやたらに人に話しかけたりはしませんが、「良い感じ」に相手のプライバシーを尊重し、必要な時は手を差し伸べてくれる人たちと言えます。

例えば、地下鉄や公共の場で具合が悪そうにしている人がいると、必ず通りがかりの人が声をかける紳士・淑女の国です。そんな安心感のある国は海外でも非常に少ないのではないでしょうか。

イギリス留学のメリット

欧州、中東、アフリカからの留学生と交流が深められる

イギリスには、ヨーロッパ、中東やアフリカ諸国から多数の留学生が学びにきています。これは、欧州圏では現在でもイギリス英語が大きな影響力を持っていること、地理的に近いこと、また中東やアフリカ諸国でも伝統的にイギリスを留学先に選ぶ人が多いという背景があります。

イギリスの英語学校は人種のるつぼということができます。様々な国籍の人が学んでおり、他国からの留学生との交流を深めることができる多くの機会に恵まれます。肩を並べて学ぶ中で、留学生同士という絆も生まれ、将来の友人にも巡り会える機会もあるでしょう。

文化面が充実、日常で観光が楽しめる

イギリスでの滞在は語学に留まらず、その古い歴史や豊かな文化に触れることができます。イギリス内には、古城や教会を始めとする歴史的建造物や美術館、博物館が散在しており、日常生活のなかで気軽に観光を楽しむことができます。

北はスコットランドの湖水地方、ビーチで知られる南の海岸地域など、イギリスは自然も非常に豊かな国です。加えて、音楽、ミュージカル、シアターなどのエンターテイメントやスポーツも充実。暮らしながら観光や娯楽に触れられるという大きなメリットがあります。

ワーキングホリデービザの取得が可能

Youth Mobility Schemeと呼ばれるこのビザは、いわゆるイギリス版のワーキングホリデービザです。このビザを取得することにより、イギリスへの滞在、就労、就学が可能になります。そのため、滞在中の仕事について滞在費の一部を補うことができます。

またもうひとつの現地での就労のメリットは、強制的に英語を使う環境に自分を置くことで、英会話力の上達が図れることです。

但し、このビザは発給数に制限があるので注意が必要です。

イギリス留学のデメリット

実は英語のアクセント(訛り)が多様

イギリスには多くの訛りや方言があります。実際に現地へ到着すると、アメリカ英語に馴染みがあるような多少英語に自信のある人でも、イギリス人の英語が全く理解できないという状況に遭遇することもあります。先ほど紹介したように、ロンドンではコックニーと呼ばれる元々はロンドンの東地域で話されていた訛りが有名ですが、これは外国人にはアクセントがかなり高いだけでなく慣用句も知らなければ理解できない独特ようなものであり、ハードルがかなり高いです。

英語学校の先生は非常に聞き取りやすい標準イギリス英語で話すためよく理解できたとしても、一歩街にでるだけで、急に英語がわからなくなるという現象も珍しくありません。環境に慣れるまで、忍耐力が必要です。

文化の違いと言葉の壁

海外留学では、文化や習慣の違いからくる誤解や、英語で言いたいことが伝わらずトラブルが起こることもあります。しかし、これは海外で暮らせば何処にいても起こりうることです。

重要なのは、こうした違いをネガティブに受け止めるのではなく、ポジティブに受け入れる柔軟な姿勢です。柔軟かつ前向きな姿勢で日々を過ごすことで、今までと違うことの面白さや様々な大事なものを発見できるでしょう。英語に関しては、「失敗」から学び、それをバネにして先へ進めば、大きな上達が図れます。

気候に注意が必要

イギリスは北ヨーロッパに位置するため、年間を通して日照時間が少なく、曇りの日が多いという気候の特徴があります。短時間で天気が変わりやすく、急に日が差し始めたり寒くなったりと、一日の中で四季があると言われる程です。夏は短く、さんさんと降り注ぐ日差しは望めませんし、冬は長く小雨や曇りの日が多いです。夏は30度に達することは稀で、湿気が日本より少ないため過ごしやすく、冬は中央暖房設備が行き届いているため室内は快適です。

天気にはあまり恵まれないイギリスですが、太陽を求めて南ヨーロッパへ週末旅行が叶うのもイギリスの地理ならではです。

イギリス英語の特徴

イギリス英語の歴史

イギリスの植民によって英語が根付いたアメリカやオーストラリア大陸と異なり、欧州の英語の歴史は大変古く、そのルーツはサクソン、アングル、ジュート人などのゲルマン民族によるブリテン諸島への移住が始まった449年頃に遡ると言われています。それ以前ブリテン諸島で先住民族が話していたのはケルト語でしたが、その後アングル人によって話されていた言語であるエングリスク(Englisc(古代英語))がまず南部に広がり、原住民達は北へ追いやられることになります。

中世英語が確立された時代とされる1150年から1500年の間には、現在のフランス、ノルマンディ地方からの侵略により、フランス語がブリテン諸島に持ち込まれました。これによりおよそ1万語に及ぶフランス語の単語が英語に混入されます。エングリスクはその後もブリテン諸島で広がったものの、当時は低層階級で使われ、宮廷・行政・文化的な場面ではフランス語の影響を受けた英語が使われるようになりました。

初期近代英語の確立は15世紀であり、この時代の英語はシェイクスピアが用いた英語として知られています。19世紀の産業革命により、新しい技術を記述・説明する単語が生まれ、英語の語彙は増え続け、その技術と共に世界中へ広まりました。

イギリス英語とアメリカ英語の違い

今日ではアメリカ英語とイギリス英語には様々な違いがあります。

  • スペル
  • 発音
  • 語彙

まず、イギリス英語とアメリカ英語では、同じ単語でも綴りが異なるものがあります。例えば、「中心」を表す「センター」は、アメリカ英語ではcenterですが、イギリス英語ではcentreとなります。「分析する」は、アメリカ英語ではanalyze、イギリス英語ではanalyseとなります。

これらは一例に過ぎませんが、イギリス英語はその歴史から他の言語からの単語の流入など影響を受けてきました。また、綴りだけでなく、綴りと発音が一致しないのもイギリス英語の特徴です。

参考:British and American spelling (Oxford Dictionaries)

次に、イギリス英語とアメリカ英語では、同じ単語でも発音に違いのあるものがあります。

例えばコーヒーは英語では「coffee」ですが、アメリカでは「カフィ」、イギリスでは「コフィ」のように、発音が異なります。これは元来はイギリス英語の発音だったのが、アメリカで発音が変化したものです。

また、語尾の/r/を発音するのもアメリカ英語の特徴です。doorはイギリスでは「ドー」、アメリカでは「ドア」と発音します。この語尾のrは昔のイギリスでは今のアメリカのように発音していましたが、徐々にイギリス英語から発音が消えていったことで生じた違いです。

発音だけでなく、アクセントやイントネーションも異なり、これまで多くの人が触れてきたであろうアメリカ英語とイギリス標準英語はかなり印象が異なることがわかるでしょう。

そして、アメリカ英語とイギリス英語では、同じものを違う単語で示すことがあります。

エレベーターはアメリカ英語では「elevator」イギリス英語では「lift」、地下鉄はアメリカ英語では「subway」イギリス英語では「underground(またはtube)」など呼び方が異なります。

しかし、このような違いがあるから英語でコミュニケーションの妨げるものにはならないでしょう。

World Englishes と表現されるほど、世界では現在、様々な英語が話されています。「英語はコミュニケーションの手段であり、発音を気にする必要はない」という意見もよく聞かれます。確かに、発音や文法の正確性よりも、まずは「話そうとする姿勢」の方が大事であることは間違いありません。例えばインドの英語は今日では「インド英語(Indian English)」と呼ばれるほど独自の発音・文法に変化を遂げており、今ではアメリカ英語の次に話者の多い英語となっています。

しかし、だからと言って歴史あるイギリスで標準的な英語を学ぶことが損になることはありません。むしろそのような話者の多さではマイナーであっても、様々な英語に触れるチャンスとして捉えていくことがコミュニケーションツールとしては重要なのです。

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました