TOEICを勉強する方の中には「Part7が難しい」「Part7の得点が伸び悩んでいる」という方も多いのではないでしょうか?Part7は答えるための4つの選択肢が印刷されており、英語の長文を読み解き、質問で文章の内容に関して合致するものまたは合致しないものを解答するという形式の問題です。リーディングの最後のパートということもあり時間が足りなくなりがちですが、Part7を攻略しなければ高得点は望めません。
今回はTOEIC L&R Part7のおすすめの勉強方法と高得点をとるためのコツを解説をしていきます。
Part7の問題構成
Part5はTOEIC L&Rの7番目のセクションであり、リーディングの出題としては3番目にして最後のパートです。長文を読み解き、空欄にふさわしい単語を選ぶ、内容を適切に説明した選択肢を選ぶといった方式となっています。
文章の形式も様々で、インタビュー記事や広告宣伝、手紙・e-mailやチャット、エッセイなど様々なパターンが現れます。1セットの文章の数もシングルパッセージやダブルパッセージだけでなく、トリプルパッセージもリーディングの最後に2〜3セット出題されます。
文章に書いてあることでは細かいところも聞かれ、表や図から読みとるような問題がでますので、文章全体の流れを把握し、正しく読み取ることが問われます。また、「〜について書かれていないものはどれか?」「〜について暗示されているものは何か?」など全体を広く理解しなければ正解できない、難易度の高い問題も散見されます。
Part7は分量が非常に多く時間が不足しがちであり、時間配分としてはいかに短時間でPart5とPart6を攻略できるかがリーディングのスコアひいてはTOEIC全体のスコアを左右します。
TOEIC L&Rの2時間の試験時間のうち、45分がリスニングセクションの時間で、この時間は短縮しようがありません。そして残りの75分のうち、Part5とPart6をなんとか20分で解くことで、分量が多く難易度が上がってきているPart7に55分を残しておくことができます。
Part7はとにかく大量の文章を読み取るが必要となる問題ですからPart7で高得点を狙うのであれば、とにかく長文読解のスピードを向上させる必要があるパートなのです。
Part7はいわゆるTOEICの旧形式では出題数が48問でしたが、2016年5月から開始された新形式のTOEIC試験からは各パートの配分が見直され、新形式での出題数は54問に増えました。分量としてはおおむね長文問題が長文が2つ増えたことになります。
Part7の例題
サンプルとしてPart7形式の問題を公式サイトのサンプル問題から修正してご紹介しましょう。文章の--に対して、(A)〜(D)のうちで最もふさわしいものを選ぶという形式の解答方法になります。
(引用元:TOEIC公式サイト サンプル問題から改定)
(Question) No. 196 In the advertisement, the word “top” in paragraph 1, line 2, is closest in meaning to
(A) maximum
(B) favorite
(C) important
(D) interesting
(Question) No. 197 What are Sparky Paints customers advised to do?
(A) Apply an adhesive to color samples
(B) Visit a store to compare paint colors
(C) Adjust the color on their computer monitor
(D) Order samples of several similar colors
(Question) No. 198 What is most likely true about order #3397 ?
(A) It arrived within two business days.
(B) It included an extra sample.
(C) It was shipped in February.
(D) It contained four gallons of paint.
(Question) No. 199 Which color does Mr. Phan indicate that he likes?
(A) Caspian Blue
(B) Deep Sea Blue
(C) Stormy Blue
(D) Misty Gray
(Question) No. 200 What problem does Mr. Phan mention in his e-mail?
(A) He received the wrong item.
(B) He was charged the wrong price.
(C) The delivery time was too long.
(D) The instructions were too confusing.
1問目の正解は(B)、2問目の正解は(D)、3問目の正解は(A)、4問目の正解は(C)、5問目の正解は(A)です。問題で聞かれているポイントは分かりましたか?
新形式のTOEICになってから、Part7の難易度や形式は大きく変わりました。まず、旧形式に比べ圧倒的に文章の量が増加しました。諸説ありますが、旧形式と比べてPart7トータルで文章量は1.2〜1.4倍程度の分量になったと言われています。
出題される文章のタイプも様々なバリエーションのものが出現するようになり、新形式ではe-mailやチャット形式の問題、1セットの長文もシングルパッセージやダブルパッセージだけでなく、トリプルパッセージが出題されるなど、対策が必要なものが増えてきました。
Part7でハイスコアを取るためのコツ
設問の内容を確認する
TOEIC L&Rのテストの中で、もっとも読解量が多く時間が足りないのがPart7になります。そのため問題を解いていて長文を何度も読み返しているようでは、時間が全然足りません。
ページをめくり新しい1セットの問題に着手する時は「ページをめくると同時に文章の形式を確認(メールかエッセイかポスターか)」「問われている内容を確認」「長文に目を通す」という順番がおすすめです。問われている内容を長文を読む前に把握しておけば、精読するポイントを絞ることができますので、回答のスピードが格段に変わってきます。極端に言えば、問題に回答できるのであれば隅から隅まで全てを細かく理解する必要がありません。
図表を使った読み取りにはポイントがあります。
・図表で比較されているものは何か、それらの違いは何か(商品のリストか、地図上での場所なのか)
・図表で読み取るべき情報は何か、問われている内容は何か
・図表に示された共通の情報や注記が、図表以外の場所(文章の本文)に書かれていないか
これらの図表を読み取るポイントも問題に書かれていることを読み取ればよいので無駄な情報を読み取るのに時間をかけないようにしましょう。
捨てる問題を覚える
ハイスコアを狙う上で覚えておきたいのは、高い点を取るためには捨てるべき問題もあるということです。
そもそもTOEICのスコアは各回の受験者の出来により同じ正答数であってもスコアが変わってきますが、多くの場合、高得点といわれる800点を取るためには85%つまり170問正解する必要があります。逆に言えば、30問間違えても800点取得することができるのです。難しい問題を1問解くのに時間をかけすぎるよりは、時間のかかる問題は後に回すことも必要になってきます。
また、どうやら試験には採点されないあるいはスコアに響かない問題がたまに現れるようで、あまり1問に時間をかけることはお勧めできません。
捨てるべき問題、言い換えれば難しい問題は大きく2つあります。ひとつには本文に記載されていないものを選ぶ形式の問題です。問われ方としては「〜について書かれていないものを選べ」「〜について誤っているものを選べ」という形式であり、正しいものを選ぶのに比べると回答に必要な情報量が多く、1問を解くのに時間がかかります。通常は正しい選択肢を見つければそれ以降の選択肢に目を通すことは無駄なのですが、記載されていないものを選ぶには全ての選択肢を確認する必要があります。
もうひとつの捨てるべき問題は、"imply"という問われ方をするものです。"imply"とは「暗示する」という意味であり、TOEICでは「直接そのように記載されていないけれども、読み取ることができる内容を選ぶ」ことになります。この問題に答えるには、本文の流れを汲み取った上で、読み取るべきポイントをしっかり理解しなければなりません。もちろんポイントを読み飛ばしてしまっては回答することができません。難易度が高く、余裕があれば回答するスタンスが理想的です。
問題は必ずしも順番通りに答えられるとは限らない
問題を解いていて忘れがちなのが、問題は必ずしも順番通りに答えられるとは限らないという点です。
もちろん解き方は色々な方法はありますが、設問→長文→回答→次の設問→長文の続きを読むという順番で解いている人が多いようです。このように解いていくと、1セットの途中の問題に該当するポイントを見つけられないと、最後の方まで文を読んで解ける問題があることに気づきます。効率的に問題を解くには、時には問題をスキップして後から全体を読んでから解くということも必要になってきます。
一方でPart7でもピンポイントでそこだけ読めばわかる問題もあります。上記サンプル問題の1つ目のような「言い換え」タイプの設問などが該当し、これを最初から文を読んでいけば、自然と意味がわかるはずです。このようなタイプの問題は後の方まで文章を読んで中身を忘れないよう、迷わずすぐに回答してしまいましょう。
Part7の勉強法
Part7対策するための勉強法は英文法や英単語といった基礎事項を確認することに加え、リーディングのスピードを向上させることが対策になってきます。Part6と比べても最後の問題までしっかり解き切るには、圧倒的なスピード・精度・集中力が求められます。
そもそもリーディングには1つ1つの文や単語の意味を細かく見ていく精読と、大まかな文章の流れを把握する速読では別のものと捉えられ、いずれもスピードを上げるためには訓練が必要です。Part7では細かい点を問われる問題が多いため精読が重要と思われがちですが、実際には分量が非常に多いため文章全体の大まかな流れを掴む速読の能力が求められます。
Part7ではとにかく読むスピードが求められ、このスピードこそがリーディングで高得点を取れる人と伸び悩む人の差になります。もちろん読み飛ばして内容が頭に入ってこないのでは本末転倒ですので、スピードを維持しながら内容を把握していくことが重要になってきます。
一方で、問題演習では精読については疑問点を全て解消し、1文1文の文法構造や内容をしっかり理解するようにしましょう。精読をした後は解説をよく読み、正解の選択肢が正しい根拠と、不正解の選択肢が間違いである理由をしっかり確認することが大事です。
速読について少しでも読むスピードを上げたいのであれば、おすすめの勉強法は音読です。文章を理解する上で、目で文章を追う以上のスピードでは理解することができません。そして日本人が文章を理解しようとすると自然と英語特有の文章を読むのに、右から左へ「戻る」ことが発生してしまいますが、これは大きな時間のロスです。
音読では左から右へ「進む」ことしかあり得ませんから、音読しながら文章を理解することで、英語の自然な文章の流れに慣れ、頭の中で理解するスピードが上がることで、結果的に速読が身につくようになります。
精読・速読を身につけることはTOEICのリーディングセクション(特にPart6とPart7)に限らず、英語を使う時には絶対的に必要となるスキルです。TOEICでハイスコアを狙うこの機会に、ぜひ身につけてみると良いのではないでしょうか。
Part7対策のまとめ
今回はTOEIC L&RのPart7のおすすめ攻略テクニックを紹介しました。Part7は54問であり、全200問からなるTOEIC L&Rのセクションのなかでも難しく、スコアを伸ばすためには対策が必須となるパートになります。また、時間が不足しがちなリーディングセクションを最後まで回答するためには速読と精読の両方を身につける必要が出てきますから、ぜひここで紹介した勉強方法やテクニックを参考にして高得点を目指していただければと思います。
リスニング・リーディング対策
・TOEIC L&R Part1の勉強法
・TOEIC L&R Part2の勉強法
・TOEIC L&R Part3の勉強法
・TOEIC L&R Part4の勉強法
・TOEIC L&R Part5の勉強法
・TOEIC L&R Part6の勉強法
・TOEIC L&R Part7の勉強法
スピーキング・ライティング対策
・TOEIC S&W スピーキングの勉強法
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