フィリピン留学の特徴〜メリット・デメリットとは?

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留学先を検討中の方にとって、その国の良い面はもちろん、マイナスの面も気になるところではないでしょうか?留学先といえば様々な候補がありますが、留学先の国として必要な費用がリーズナブルなフィリピンを選択する方も多いのです。そこで今回は、フィリピン語学留学の特徴やメリット・デメリットについて紹介していきましょう。

留学先としてのフィリピンの特徴

必要な費用がリーズナブル

フィリピン留学の一番の魅力は何といっても価格の安さです。フィリピンは物価が日本の3分の1程度、人件費は10分の1程度と非常に低コストで語学学校の運営ができるため、日本人の留学生にとってはその恩恵を大きく受けられます。フィリピン留学における1ヶ月の一般的な費用は授業料に滞在費、生活費を合わせても15~20万円程度で済みます。欧米に留学する場合、少なく見積もっても1ヶ月あたり30~40万円程度はかかってしまうのに比べれば、フィリピンの場合はその半額程度で済むのです。

フィリピン留学の都市として最も人気があるのはセブです。次いでマニラ、ダバオと続きます。セブ市はセブ州の州都であり、セブ都市圏全体としてはマニラに次いでフィリピンで二番目に人口が多い都市で、セブの空港があるマクタン島はフィリピン屈指のリゾートエリアという一面もあり、多くの南国リゾートが存在しています。

実際にはセブにある語学学校の多くはリゾートがあるマクタン島ではなく、セブ市の中心エリアに存在しています。セブ市内は開発が進んでおり、未だにスラムが残る一方で、ITパークやビジネスパークといった近代的なオフィスビルが立ち並ぶエリアもあります。リゾートというよりは、開発途上である東南アジア独特の雑多な都市という印象を受けるでしょう。とはいえ、フィリピン内であればどこであっても物価はほぼ変わりません。

フィリピンへの航空券も往復10万円程度で購入でき、LCCを利用すればさらにコストを抑えることができます。社会人で退職後に語学留学をされる方や学生の方の場合、留学期間中は収入がなく、帰国後のことも考えれば、できるかぎり出費を抑えたいというのが本音だと思います。そんな方にとってフィリピン留学は絶好の選択肢だと言えます。

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日本からの距離感を感じにくい

フィリピンは日本から最も近い英語を共通言語として利用する国となります。最も留学先として人気があるフィリピンのセブまでは東京から約5時間で行くことができます。また、時差もわずか1時間のため、到着後に時差ボケで体調を崩すといった心配もありません。

到着の翌日から帰国の前日まで充実した留学生活を送ることができます。この物理的な距離の近さも、フィリピン留学が人気となる大きな理由のひとつです。

治安はイメージほど悪くはない

フィリピンへの語学留学を検討するにあたって、多くの方が気になるのが現地の治安かと思います。フィリピン全体の治安は、当然ながら世界最高レベルの治安の良さである日本と比較するとよくはありません。

特に治安が悪いのは首都マニラです。セブやダバオと比較すると、街全体の雰囲気としてマニラの治安の悪さを実感することができます。警察官・空港職員やタクシー運転手の態度もセブと大きく異なりますし、盗難や強盗も割と頻繁に起こります。地元で暮らす人々からも夜は出歩かないよう釘を刺されることも多く、治安を重要視する方に対しておすすめしにくい場所です。

一方、セブはマニラと比較してだいぶ田舎の雰囲気であり、治安もかなりよいと言えます。タクシーの運転手やお店の人々も親切な人が多く、日常生活の中で身の危険を感じることはあまりありません。地元の人々が利用するジプニーという乗り合いタクシーの中ではスマートフォンなどの高額な所持品を見せない、スラム街には立ち入らない、暗い夜道は一人で出歩かない、といった海外では当然気をつけなければならない最低限の注意さえ払っていれば問題ないと言えます。

ダバオもセブ同様に非常に安全な都市として知られています。ダバオの位置するミンダナオ島自体はいまだにイスラム過激派の拠点となっており、ダバオ市内から出ることはとても危険ですが、市内にいる限り不安を感じることはありません。ただし、ダバオでは2016年9月に市内の中心地で10人以上が死亡する爆破テロが起こりました。ドゥテルテ前市長のもとで治安が劇的に改善したといえ、ミンダナオ島であるということは忘れてはなりません。

以上を踏まえると、フィリピンへの留学先を選ぶのであればまずはセブを選ぶことが第一候補となるでしょう。

フィリピン留学のメリット

事前の手続きが楽

フィリピンでは、30日以内の滞在であれば面倒な各種ビザの申請手続きなどが必要ありません。フィリピン留学を希望する社会人の多くが1ヶ月以内の短期留学であり、何かと忙しい社会人にとって手軽に留学できるのは大きな魅力です。

また、滞在期間が30日を超える場合でも、通常、パスポートと証明写真を語学学校に渡すことでその後の滞在延長手続きを学校側が全て対応してくれるため、煩雑な手続きが必要ありません。事前の手続きに手間をかけることなく旅行気分で留学できるというのがフィリピン留学の大きな魅力のひとつです。

マンツーマンレッスンも一般的

フィリピンの語学学校ではマンツーマンでのレッスンが主流です。欧米の語学学校では、通常1クラス10~15人程度で構成されるグループレッスンが主流で、少人数制と謳う学校でも4~6人程度のレッスンとなり、マンツーマンでのレッスンを受けたい場合は高額なオプション費用が必要になります。

しかし、フィリピンではマンツーマンレッスンをベースとしたカリキュラムが基本で、例えば1日8コマあったとすれば6コマがマンツーマン、1コマがグループで1コマが自習、のような組み方となります。また、さらにぎっしりとマンツーマンを詰め込みたければグループレッスンや自習のコマを低価格でマンツーマンレッスンに切り替えることもでき、とにかく会話量を確保するという点ではこの上なく効率的なレッスンスタイルとなっています。

短期留学にも向いている

フィリピン留学はリーズナブルな価格で気軽に行うことができ、事前の面倒な手続きも必要なく、かつマンツーマンでレッスンが受けられるという特徴があります。そのため、短期間で成果を出したい方にとって非常におすすめの留学先です。フィリピン留学が社会人の方から支持を集める理由もここにあります。

社会人で語学留学をする場合、現職の方は有給・長期休暇を利用するケースが大半であり、1週間~2週間といったかなり短い期間での留学が一般的です。仕事を辞めて留学する方でも、キャリアのブランクを考慮して1ヶ月~3ヶ月程度の留学をする方が多いのが現状です。このような短期留学の場合、渡航にかかる費用や時間を無駄に費やすことは避けたいですし、期間が短い分、マンツーマンなどで高い密度で効率的に学習をする必要があります。こうした社会人ならではと言える留学のニーズに最もマッチした留学先がフィリピンなのです。

フィリピン留学のデメリット

悪い意味で日本人慣れしている

講師に限らずフィリピン人はとてもフレンドリーで日本人に対しても親切と、日本人との相性は非常に良いと言われています。しかし、英語の上達という観点で考えてみると、それが逆にデメリットとなる可能性もあります。フィリピンの語学学校に務める講師は日本人や日本人の英語にとても慣れており、日本訛りの強い英語に対するリスニングスキルも高く、単語と単語をつなぎ合わせただけのような伝え方でも、彼らの理解力が高いがゆえに会話が成り立ってしまうのです。そしてカタコトの日本語くらいなら理解できてしまう人も一定数います。

そのため、フィリピン人講師から英会話を学び続けていると、自分の実力以上に英会話力がついたと錯覚してしまうことになります。しかし、フィリピン留学後にアメリカやイギリスのネイティブスピーカーと話してみると、彼らの言っていることがさっぱり分からないし自分の言っていることも理解してもらえないということが起こりがちです。

グローバルに通用する真の英語力を身につけたいという方は、その点をしっかりと理解したうえで英語の学習に取り組む必要があります。フィリピン留学の成果に満足することなく、ネイティブや様々な英語にも触れ、世界に通じる実践力を身につけていくことが重要です。

講師の当たり外れは大きい

フィリピン留学に限ったことではありませんが、フィリピンの語学学校の講師には当たり外れが多く、ネイティブに比べるとその幅が極端というのが現実です。英語を第二言語として学習する人向けの専門的な指導資格を持ったプロフェッショナルなベテラン講師もいる一方、フィリピンの語学学校に在籍する講師の多くは、大学や大学院で勉強しながら講師を掛け持ちする20代前半のアルバイト講師です。

もちろん、年齢が若い講師の中でも非常に綺麗な英語を話す講師はたくさんおり、高い指導力・優れた人間性を兼ね備えた講師もいます。それでも講師の多くは、英語が得意だったとしても「教える」という点に関してはプロフェッショナルではありません。生徒の個性に応じた指導方法やカリキュラムを考えたり、アメとムチを使い分けたりといった教育技術については素人に毛が生えたレベルです。

最近では講師の質向上に向けた研修などに積極的に取り組む真面目な講師も多いのですが、語学留学でフィリピンにやってくる留学生の増加に伴い、多くの語学学校では常に新しい講師を採用し続けており、そのような新米講師にあたってしまうと英語力だけでなく指導力や熱意に物足りなさや不満を感じてしまうこともあるでしょう。

イメージとのギャップ

語学留学で初めてフィリピンに行き、セブを訪れた方の多くが抱く感想が、「海の綺麗なリゾートだと思っていたのに!」というものです。これは本当にとても良く聞く話です。セブは日本人の間でも人気の観光地で「セブといえばリゾート」というイメージも強いのですが、実際にはセブの中でリゾートホテルが集中しているのは空港が位置するマクタン島東側のエリアであり、セブの語学学校の多くはこのエリアではなくセブ市内の中心地に位置しています。

セブ市内の中心地はリゾートという雰囲気ではなく東南アジアらしい雑多な街並みが続いています。ITパークやビジネスパークと呼ばれる近代的なオフィスビルが立ち並ぶエリアがある一方、スラムが隣接しており開発途上国といった雰囲気がはっきり見えます。セブ市内は車が非常に多く大気汚染も進んでおり、舗装がしっかりされていない道路も多くあります。「リゾート気分で留学」という気持ちでセブに来ると、そのギャップにショックを受けてしまうかもしれません。

また、フィリピンでは国全体のインフラ成長が追いついていない現状にあります。フィリピンでは停電や洪水などが頻繁に発生し、インターネット環境も日本ほど快適ではありません。日本の充実したインフラに慣れてしまっている方にとってはストレスを感じるケースが多いため、語学学校も最大限の配慮をしていますが、宿泊施設のシャワーや水回りが壊れる・Wi-Fiがつながらいといったトラブルはよく起こりますので、こうした開発途上国ならではの生活環境が苦手という方はフィリピン留学に向いていないのかもしれません。

フィリピン英語の特徴

フィリピンの英語事情

フィリピンでは公用語としてタガログ語と英語が定められています。大小7,000以上の島々からなるフィリピンは地域によって言語も異なり、母語の数は170以上。かつてはスペイン、アメリカの植民地だった経緯もあり、街並みのいたるところにスペイン植民地時代の雰囲気を残しつつ、アメリカらしいカルチャーも浸透しており、経済では華僑が影響力を持っているという非常に多様性のある国です。

そんなフィリピンの英語力を測る指標として引き合いに出されるのが、英語を第二言語として修得している人数がインド、パキスタン、ナイジェリアに続いて世界第4位というものです。(※出所:"The Language Planning Situation in the Philippines", Journal of Multilingual and Multicultural Development, 19 (5&6), 487–525, p. 492)比率にしてみればフィリピンの人口の約63.7%に該当し、これは多くの先進国をも凌ぐ驚異的な数字であり、比率で言えばインドの12.2%、パキスタンの49%、ナイジェリアの53.3%を大きく上回ります。

米国カルフォルニアに拠点を置くGlobal English社が公表しているBusiness English Index(BEI)と呼ばれるビジネス英語力に関する国際指標の調査結果を見ても、ビジネス英語力をBEGINER(1~3)、BASIC(4~6)、INTERMEDIATE(7~8)、ADVANCED(9~10)と10段階に区分したうち、2013年の調査結果ではフィリピンのBEIは7.95となっており、オランダやノルウェーなど非常に教育水準が高いヨーロッパ各国を抑えて、堂々の世界第1位に輝いていることが分かります。

Heightened Urgency for Business English in an Increasingly Global Workforce
出所:Heightened Urgency for Business English in an Increasingly Global Workforce

なお、アメリカやイギリスなど英語を母国語とする国のBEIが低いのは、これらの国には移民をはじめとしてネイティブスピーカーではない人々も含まれているためです。

語学学校の講師

フィリピンが総じて実際に英語力が高いことは疑いようがないのですが、実際にレッスンをしてくれる講師の英語力が低くては意味がありません。フィリピンの語学学校で働いている講師の実力はどの程度なのでしょうか?

残念ながら、フィリピンにある語学学校の全ての講師が英語講師として十分な英語力を有しているわけではありません。フィリピン人講師が会話の中で間違った文法を使っていることもありますし、ネイティブが使うような難解な表現は使えずに、自分が慣れ親しんでいる簡易な言い回しを何度も繰り返して使う講師もいます。講師の質という意味では、語学学校により大きなばらつきがあるのが現状です。しっかりとした選考基準を設けている学校もあれば、とにかく生徒受け入れ体制を整えるために選考ハードルを下げて採用を続けるという学校もあります。

実際に現地に行って授業を受けてみないことには分からないのですが、留学先選びの際には、講師の選考基準や採用フローを明示している学校を選ぶことが重要になってきます。

フィリピンの発音と訛り

フィリピンでは一般的にアメリカ英語が話されていますので、発音もイギリス英語ではなくアメリカ英語がベースとなっています。

しかし、フィリピン人講師の全員がネイティブと全く遜色のない流暢なアメリカ英語を話すかというと、そうではありません。フィリピンは混血が進んでいる多民族国家であり、現地語の訛りはもちろんスペイン語系や中国語系の訛りを持つ講師などもおり、その度合いや訛りも様々です。

多様性をプラスに捉えるか、マイナスに捉えるかは人によって分かれるところです。例えば、アメリカでさえ日本人がイメージするようなアメリカ英語を全員が話しているわけではありません。アメリカの東海岸か西海岸かでも発音が異なり、東海岸でもボストン訛りかニューヨーク訛りかなど、地域によっても異なってきます。また、移民が多いアメリカでは、黒人系、アジア系、ヒスパニック系では全く違う訛りになっています。

現代では、"World Englishes"と表現されるほど、世界では様々な英語が話されています。「英語はコミュニケーションの手段であり、発音を気にする必要はない」という意見もよく聞かれます。確かに、発音や文法の正確性よりも、まずは「話そうとする姿勢」の方が大事であることは間違いありません。例えばインドの英語は今日では「インド英語(Indian English)」と呼ばれるほど独自の発音・文法に変化を遂げており、今ではアメリカ英語の次に話者の多い英語となっています。

しかし、だからと言ってフィリピンで英語を学ぶことが損になることはありません。むしろそのような話者の多さではマイナーであっても、様々な英語に触れるチャンスとして捉えていくことがコミュニケーションツールとしては重要なのです。

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