北米の大学院への留学を考えている方はGREという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
「GREを受験してみたい」「試験の特徴はなんだろう」と考えている方も多いのですが、試験の詳細について世間で出回っている情報は充実しているとは言えず、よく質問を受けます。
そこで今回はGRE(ジーアールイー)試験とはどういう試験なのかについて紹介していきましょう。
GRE(ジーアールイー)とは?
試験の概要
GRE(ジーアールイー)とは、Graduate Record Examinationの略であり、アメリカ合衆国のNPOである教育試験サービス(Educational Testing Service; ETS)が主催している、アメリカ合衆国やカナダの大学院へ進学するのに必要な共通試験です。
文系、理系いずれにおいても専攻科目の修士号、博士号を取得するために必要とされるテストであり、大学院に入学するために必要な論理的思考能力、読解力、分析力、語録力、Critical Thinkingを測るようデザインされています。
試験形式
GREはコンピューター上での受験(Computer Based Test;一般的にCBTと呼ばれる)形式で実施されます。
GREでは、一般知識を問う「General Test」と、専門知識を問う「Subject Test」が存在しており、科学系専攻を志望するもの以外の出願には通常「General Test」のスコアのみが必要とされています。
General Test
- Analytical Writing
- Verbal Reasoning
- Quantitative Reasoning
試験の順序は通常Writingから始まり、次いでVerbal、Quantitative、VerbalまたはQuantitative、Verbal、Quantitativeの順となっており、QuantitativeかVerbalのどちらか連続して2度行われます。
最後に今後の参考のためとして、ETSからボランティアとしてプロトタイプの試験を受けさせられる場合もありますが、こちらは全問飛ばしても採点には影響しません。試験時間は各個人と試験構成によって異なりますが、通常5〜6時間程度です。
(参考URL:https://www.ets.org/gre/institutions/about/general)
Subject Test
- Biology(生物学、生化学と細胞・分子生物学)
- Chemistry(化学)
- Literature in English(英語文学)
- Mathematics(数学)
- Physics(物理学)
- Psychology(心理学)
大学学部での専門分野の学習内容についての試験であり、入学を希望する大学院が要求する科目を1つ選択して受験します。GRE Subject Testについては出願の際のスコアの提出が「強く推奨」となっていることもありますが、非常に優秀であることを別な方法で示せる場合等を除いて、実質的には必須であるとみなされる。
すべての分野のテストは同時刻に行われ、同一日に複数の科目の受験はできません。すべてマークシート式のペーパーテスト形式で行われます。試験時間は2時間50分。問題数は科目により異なります。
(参考URL:https://www.ets.org/gre/institutions/about/subject/)
受験するには?
日本では東京または大阪のテストセンターで、試験を実施しています。1度受験すると次に受験するまで21日間待つ必要があり、さらに1年間に受験できる回数は5回までとなっています。
- 受験料(General):205 USD
- 受験会場:日本では東京、大阪
- テスト結果:各セクションごとのスコアと総合評価のスコアが示された成績証明書。有効期限は5年間。
- 受験資格:なし
詳細は公式ページ(URL:https://www.ets.org/gre/revised_general/about/bulletin/)もご覧ください。
他の試験との違い
他の海外留学に用いる代表的な試験としては、TOEFLやIELTSがあげられます。
TOEFLやIELTSとの大きな違いは、TOEFLやIELTSが言語能力を問う試験である一方で、GREは言語運用能力や論理思考能力、および大学卒程度の専門知識があるかが問われる試験であるという点です。
TOEFLやIELTSについてはこちらの記事もご覧ください。
試験内容と出題形式
GREのGeneral Testの得点は、Writingは0〜6、VerbalおよびQuantitativeは130〜170で評価されます。各大学院への入学許可を得るために必要なスコアは一概に言えず、合否は通常、出願に必要なほかの要件と併せて判定されます。
一方、Subject Testでは評価が200〜990点の範囲です。また、ランダムに解答すると0点となるなど、間違えた解答をするとペナルティとして点数が減点される得点計算方式になっています。
まとめ
GREの概要についてはお分かりいただけましたか?概要が分かったならば、今度はどのように試験の対策を行っていくか確認していきましょう。
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